お伊勢参り

機会があれば行きたいと思っていたお伊勢参り (伊勢神宮参拝) に行ってきました。
江戸時代に大流行したといわれるお伊勢参りですが、昨年20年に一度の式年遷宮があ
り、それ以降、参拝客が急増しています。
混雑をさけるために早朝に参拝致しました。
月明かりの下で参道に一軒、赤福本店のみが昔ながらの風情で開店していました。
店内に入ると、江戸時代にタイムスリップしたような雰囲気で、薪をくべたかまどでお湯を
沸かしていました。
聞くと、年中無休で毎朝5時に開店し、参拝客を迎えているという。
創業当時から変わらぬ姿勢に浪花のあきんど魂を感じます。
餅入れさんと呼ぶ女性職人さんが、ひとつ一つていねいに赤福餅を作っていました。
今から300年以上も前から、このような手作りで餅を作り、全国から来た参拝客をもてなし
ていたのかと思うと、商売人としてのあるべき姿をそこにみたような気がしました。
無事参拝を終え、願うのではなく、お礼を伝える場所だと痛感。
神宮内で御朱印帳を購入し、今後、神社、仏閣を巡る楽しみがひとつ増えました。
伊勢神宮と赤福本店、昔から人々を惹きつける魅力がわかったような気がしました。

謙虚であり続けること

あるプロゴルファーの話を記事で読みました。
その内容を要約すると下記の通りです。
その人はアマチュア時代、力を発揮できず予選落ちが続いていました。
ある予選会の終了後、予選落ちした彼は、大会関係者一人ひとりに深々とお辞儀をして、
お礼のあいさつをしてまわったそうです。
その光景を遠目でみていた関係者が声をかけました。
「明日まで試合会場で待ってみませんか。万が一欠場者が出たら、優先的に繰り上げ出
場できるようにします。可能性は低いですが・・・。」
その話を聞き、彼は会場で待つことにしました。
すると翌朝、連絡が入り奇跡的に繰り上げ出場できるようになりました。
その試合が彼の人生を大きく変えました。
大会最終日の終盤にミラクルショットがあり、プロを相手にアマチュアとして初優勝しまし
た。
その彼とは石川遼選手です。
幼い頃から身についていた周囲への気配りと、謙虚な姿勢が思いがけないチャンスをた
ぐり寄せました。
彼はスター選手となった今でも常に低姿勢で、気配りのある振る舞いをしています。
スポーツだけではなく、実社会でも人や物に対しての謙虚さが運を引き寄せ、周囲への
感謝や心配りが、多くの人から協力を得ることにつながるのだと思います。
「実るほど頭を垂れる稲穂かな」
尊敬に値する人ほど、このことわざを実践しているような気がします。

靴の記念日

3月15日は靴の記念日です。
今から144年前の1870年(明治3)の3月15日、日本ではじめての靴工場が東京 築地
でオープンしたのを記念して制定されました。
その当時、外国から輸入した軍隊用の靴が大きすぎて日本人の足にあわず、大村益
次郎の命で千葉・佐倉藩出身の西村勝三が日本製の靴を作ることになりました。
はじめは香港の靴職人を雇い、伝習生として佐倉藩士が靴を作っておりました。
時代は正に「廃藩置県」が行なわれていた頃で、武士が断髪して何か職業を持たね
ばならぬ状況でした。
さまざまな紆余曲折がありましたが、西村勝三の作った日本最初の靴工場は発展し、
日本製靴株式会社となり現在のリーガルコーポレーションになりました。
初期の佐倉藩士伝習生である、大塚岩次郎は現在の大塚製靴の創始者であります。
日本の近代化の中で、軍靴製造として始まった日本の靴産業ですが、平和な時代の
ファッション業界の一翼を担える業界にまで発展致しました。
靴業界発展のために尽力された諸先輩の皆さんに敬意を払い、メイドインジャパンの
靴作りの品質をますます向上させていかねばと改めて思います。

知命

「十有五にして学に志す  三十にして立つ 四十にして惑わず 五十にして天命を知る 六十
にして耳順う 七十にして心の欲する所に従いて矩 (のり) をこえず」
論語の有名な一節です。
現代訳 「十五歳で学問を志し、三十歳で自立した。四十歳で心に惑いがなくなり、五十歳で
天命をわきまえるようになった。六十歳で人の言葉が素直に聞けるようになり、七十歳で思
うままにふるまっても道理に外れることはなくなった。」
孔子が自分の人生を振り返って述べているものですが、人生の理想像としてとらえることも
できます。
私はこの三月で五十歳になります。
五十にして天命を知る。知命の歳になります。
自分は何をするために、この世に生まれてきた人間なのか・・・。
自分の社会における役割は何なのか・・・。
自分に与えられた使命は何なのか・・・。
そう言えば最近、会社以外でいろいろな役職をたのまれることが多くなってきました。
無理のない範囲で、できるだけ引き受けるように心掛けています。
自分がここまでやってこれたのも従業員やお得意先、仕入先、その他さまざまな方々のお
かげであります。
恩返しのつもりで社会に奉仕していく、少し大げさですが、それが天命なのかなと思うので
す。

理由なき繁盛店

出張先での楽しみのひとつに、地元の名店を探すというのがあります。
東京の都心部は有名チェーン店が軒をつらねており、一定のレベル以上のサービスと味
で競い合っています。
どこに入って食べても、ハズレなしという印象で悪くありません。
しかし、東京郊外となると事情が変わってきます。
駅前や商店街等では、チェーン店よりも昔ながらの地元の店が多いように思います。
訪れた店の中でも、昔からの味とサービスで地域の人に愛されているのだなと感じる店
も少なくありません。
しかし、たまになぜこの店が繁盛しているのか全くわからない店があります。
味もサービスもいまいちで、しかも値段が高い、それでもそこそこ賑わっている。
繁盛している理由を必死で自分なりに探しても一向にわかりません。
たどりついた仮説が「競合がない」ということでした。
ライバル店が出店するほどの立地でもなく、つぶれてしまうほどの過疎感もないという絶
妙のバランスで存続してきて、競合がないため改善する努力もしないという結果なのかな
と考えました。
そう思うと「このままで十分」と考える危機感のなさが一番危険であるように思います。
一昔前の小売業は安定した時代がありました。
ところが、スーパーやショッピングモールの台頭で競合にさらされます。
準備もなく、ノウハウもない店は淘汰の波にのみこまれます。
今後もその流れは変わらないでしょう。
お客様との関係性を大事にし、その地域で愛される、理由のある繁盛店をひとつひとつ丁
寧に作り上げていきたいと思っています。

天才たちの気づき

「ジェフ・ベゾス」を知っている人は少ないかもしれませんが、「アマゾン」は誰でも知ってい
るのではないでしょうか。
「ジェフ・ベゾス」は世界の消費を一変させた「アマゾン」を作りあげた人です。
興味があり、ジェフ・ベゾスの本を読んでみると、気づきから行動へ移行するスピードがとて
も速いのを感じます。
1994年にインターネットが年2300%という驚異的な成長をしていると知ったベゾスは、「今
しかない」と行動に移しました。
その頃はインターネットの可能性や将来性はまだ未知数で、気づく人は少数であったと思
います。
そして、その気づきから行動に移した人はほんの数パーセントだったのではないかと考え
られます。
ベゾスはインターネットで本を売るという行動に移しました。他の人が気づいてマネをする
前に・・・。
グーグルのラリー・ペイジ、サーゲイ・ブリン、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグも同
じような行動をしています。
彼らは何の資金もなく、アイデアと情熱だけで進んでいき、世界を変える企業を起こしまし
た。
今この瞬間でも、どこかの天才たちが私たちの気づかない何かに気づき、世界を変える準
備をしているかも知れないと考えるとワクワクしてきます。

RUSH/プライドと友情

F1レーサー ニキ・ラウダとジェームス・ハントの壮絶なる戦いの実話の映画です。
ニキ・ラウダという少し変わった名前のF1レーサーは、私の子供の記憶にはっきりと残って
います。
大やけどを負って顔半分が焼けただれた姿は、子供の私に大きな衝撃を与えました。
だからこの映画が公開されれば、まっ先に見に行きたいと思っていました。
迫力あるレースシーン、プライドをかけた二人の天才対決、70年代の空気感、どれをとって
も超一級の完成度を持った映画だと思います。
見終わったあと、奇妙な感情になりました。
心の奥にあった闘争心が沸き上がるような感情です。
死と隣り合わせというスリル、F1独特のエンジン音とスピードが男の本能を呼び覚ますの
か…。
その夜はしばらく寝られないほどの興奮でした。
映画を観た男性は同じような感情になるのか?
女性はどのような感情になるのか?
これほど見終わったあとの感想を他の人に聞きたい映画はありませんでした。

決断のとき

右に行こうか、左に進もうか、人生の分かれ道で人は悩みます。
後から振り返って、あの決断は正しかったかどうかを論じるのは簡単ですが、決断しなけ
ればならない時に判断材料が乏しい時もよくあります。
しかし、今決断しないと事態は悪化していくのは明らか…。
そんな時、判断のよりどころとして、根本的に考える思いがあります。
その決断は「人のために、世の中のために役立つのか」ということです。
まことに平凡な考えですが、実行するのはけっこう難しいのです。
悩んでいるうちに思考が内向きになり、自分のためや自分の会社のためのみを考えてし
まい、周りのことに気が回らなくなってしまうのです。
2月10日に株式会社クレッセントは創立19周年をを迎えます。
その19年間で何千という決断をしてきました。
全てが正しかったかどうかはわかりません。
これからも何千という決断をしていくでしょう。
その際には「人のために、世の中のために役立つのか」という自問自答を何度も繰り返し、
一歩一歩前へ進んでいきたいと思います。

ジャネーの法則

年末に「1年早かったね」と言っていたのに、年が明けて早や1ヶ月が経とうとしています。
年齢を重ねるごとに月日の経つのが早いように感じられますが、このような実感を心理学
的に解明したのが「ジャネーの法則」です。
19世紀のフランスの学者 ジャネーが、年をとれば1年を短く感じると説明しています。
理屈はこうです。
50歳の人にとっての1年は人生の50分の1。かたや5歳の子供にとっては人生の5分の1。
そう考えると、50歳の1年は5歳の10年に匹敵します。
だから人生が長くなればなるほど、心理的に1年が早く感じるのだそうです。
又、時間の感じ方には下記のようなことも言えるでしょう。
つらい時間は長く、わくわくする時間は短い。
退屈な時間は長く、充実した時間は短く感じられるでしょう。
今年の年末に年齢のせいだけではなく、楽しく充実した時間を過ごし「1年早かった!」と
言いたいです。

ウドンスキー

先日、関東の人と大阪で歩いていると店の看板をみて、質問されました。
「ウドンスキーって何ですか?」
「・・・あっそれ発音まちごうてるで。まず、ウドンスキーではなくて、うどんすきと音をのばさ
ない。そしてウドンスキーのスキーにアクセントがあるのではなく、うどんすきのうどんにア
クセントがあるねん。」
「ウドンスキィですか?」
「ちょっとちがうな。うどんすきやで」
「うどんすき」
「そうそう。だいぶようなってきたな。ウドンスキーって言うたらロシア人の名前みたいに聞こ
えるもんな (笑)」
「・・・・・  」 いまいちおもしろくなかったようで再度質問されました。
「それで、うどんすきって何ですか?」
「うどんメインの寄せ鍋みたいなもの。関西風ダシがおいしいねん。」
そう言えば関東ではあまり見かけないし、と思い調べてみると意外な事実が・・・・。
「うどんすき」は美々卯という関西の有名うどんすき店の登録商標で、全国的には知らない
人も多く、関西ローカル料理のようです。
地元では有名でも、全国的には無名の名品も多いと改めて思いました。