大世界史

お盆休みに 「BBC大世界史」 というDVD (全8巻) を観ました。
「BBC大世界史」 はどんなものかという説明を宣伝チラシから引用すると
歴史が動いた人類史の大転換点を中心に世界の歴史を振り返る、今だかつてないドキ
ュメンタリー超大作です。世界最高レベルの番組制作を誇るBBC (英国放送協会) だか
ら実現できた必見の内容になっています。
「世界史はこんなに面白かったのか」
あなたの歴史観が変わるに違いありません。さあ知的好奇心とロマンを満たす歴史紀
行へ。想像を絶するスケールで人類 70000年の壮大な物語が今、はじまります。
なんとも仰々しい宣伝文ですが、観た後の感想は同感で、内容と品質はすばらしいの
一言に尽きます。
21世紀の人類が存在しているのも70000年前から様々な戦い、発見、苦悩、欲望を経
て、今という通過点を通っているのだという考えになります。
人類は農耕を開始し、定住生活をするようになりました。
そこで、貧富の差が生まれ、暴力による支配へと続いていきます。
奪う対象が時代により食糧から金になり、エネルギー資源へと変わっていきました。
民衆は心の救いを宗教に求め、仏教、キリスト教、イスラム教の三大宗教が広がってい
きました。
権力者たちはその宗教を利用し、自らの支配欲を満たそうとしていきました。
人類が歩んできた歴史は、一言でいって争いの歴史であったと思います。
3000年前に文明が生まれて以降、ずっと戦争をしてきました。
そして、20世紀には2度の世界大戦という史上最大の戦争がありました。
21世紀はいくつかの紛争はありますが、とても平和な時代ではないかとこの大世界史を
観て思います。
日本の8月は戦争について考えることが多い月です。
人類の智恵で戦争のない社会を創り出さねばと強く思います。

セールの変調

夏のセールが苦戦しています。
今年は暦の影響で6月27日からスタートしたところが多かったようですが、以前のような各
店一斉スタートではなく、バラバラのスタートが盛り上がり感に欠ける原因の一つであると
も言われています。
又、天候不順も一因であると指摘する声もあります。
一方でセール期間中にプロパー商品がよく売れているという話もよく聞きます。
これはどういうことでしょう?
お客様は以前よりもセールに反応しなくなっているように思います。
価格が下がったから買うのではなく、欲しいから買うという素直な購買動機にもとづいて
いるのだと思います。
はたして、お客様が欲しい時に適正な商品が提案できているのか?
検証してみる必要があると思います。
3月の寒い時期に春夏物はあまり売れません。9月の暑い時期の秋冬物も同じです。
6月のレインシューズはよく売れます。
季節の先取りはせず、季節に入ってから売れ出しているという傾向です。
春も4月5月6月と同じではありません。秋も9月10月11月と違います。気分も気候によって
大きく左右されます。
そうなると、春物や秋物はもう少し時期によって違った商品を提案することが求められてい
るのではないかと考えられます。
どこに答えがあるのかわかりませんが、今年のセールの変調をみて、消費者の変化を感
じざるを得ません。

キュウリビズ

体を冷やす効果があるとされるキュウリを食べて、暑い夏を乗り切ろうというキャンペーン
が東京で開かれています。
JA全農グループが夏の代表的野菜のキュウリの消費拡大のため、「クールビズ」 になぞ
られて 「キュウリビズ」 という名前で展開しているそうです。
キャンペーンに参加している飲食店は、様々な試行錯誤を繰り返しながらキュウリを使っ
た新メニューを開発したそうです。
キュウリを使ったタルトやケーキなどのスイーツや、すりおろしたキュウリを使ったカクテル
等、予想外のメニューで人気を集めているようです。
キュウリは今までよく知られている野菜ではあったけど、主役として登場することはなく常
に脇役の存在でありました。
江戸時代の儒学者 貝原益軒に 「味よからず」 と書かれ、ギネスブックに 「世界一栄養価
の低い野菜」 と認定される等マイナスイメージが先行していました。
「栄養価の低い野菜」 だからダイエットに向いているという逆手に取った発想。
消費者に受け入れられるのか興味深いところです。
土用の丑の日にうなぎを食べる、バレンタインデーにチョコレートを贈る等、様々な習慣を生
み出してきた日本。
千載一遇のチャンスにキュウリはブームに乗れるのか、個人的に大注目しています。

通り過ぎてゆくもの

チェッカーズの藤井フミヤさんは、私より2歳上で、同じ時代を生きた同世代です。
そのフミヤさんのエッセイを偶然読む機会があり、とても共感した部分がありました。
内容は、要約すると以下の通りです。
「昔は車とか洋服、ブランド物とか物質的なモノが欲しいと思っていたけど、今は通り過
ぎてゆくものに興味がそそられる。食べ物、楽しい時間、旅とか・・・」
ほんの数行だったのですが、時代の変化により変容していったライフスタイルをうまく表
しているなと感じました。
通り過ぎてゆくものは後に残りません。
ただ、いい記憶として心に残るだけです。
最近、藤井フミヤさんの活動はあまり知らないのですが、エッセイを読む限りではアート
にも造詣が深いようです。
肩の力を入れずにナチュラルに生きている印象がして、こうありたいなと思う人の一人で
した。

リネアペッレ2014

先日、イタリア・リネアペッレ展示会主催の2015/16年秋冬イタリアンレザー最新トレンド
セミナーに行ってきました。
リネアペッレ展示会とは、イタリアで毎年開催される皮革を中心とした資材展で、全世界
からデザイナーやバイヤーが訪れます。
イタリアの皮革は世界のトップレベルであり、欧州での生産の65%、世界での生産の17
%を占めています。
皮革を使う業界は、私たち靴メーカーの他にバッグ、衣類、家具、自動車等、様々であり
ます。
その中で特に成長が著しいのが、自動車産業で革張りシートの需要が伸びています。
中国を中心とした富裕層は革張りシートを好むらしく、10年位先まで皮革の買い付けが行
われており、相場価格の押し上げ要因になっています。
今回のセミナーは、光をテーマとしており、その色彩の洗練さ、加工技術の高さ、発想の
独創性等は、さすがイタリアと思わせるものばかりでした。
最近のもの作りが、流行トレンドをいかに早く、安く、大量に作るかという方向にシフトして
いるように感じるのですが、高くてもいいものをしっかりと作っていくもの作りに回帰してい
くべきだと感じています。
そのようなことを再認識させられたトレンドセミナーでした。

ベルサイユのばら

先日、チケットをいただいたので、はじめて宝塚歌劇を観ました。
今年は宝塚歌劇創立100周年で、又、「ベルサイユのばら」も40周年という記念すべき年
です。
観客の大半は女性で、想像以上に年齢層の幅は広かったです。
一番驚いたことは、ジャニーズの親衛隊のように、ひいきの出演者のファングループがい
て、おそろいのハッピや応援の仕方が決まっているということです。
そこには一定のルールがあるのか、他の人には迷惑がかからないように配慮しているよ
うにみえ、体育会系の規律みたいなものが感じられ好印象でした。
観劇の感想ですが、期待通りの華やかな舞台で大変おもしろかったです。
特にオスカル役の凰稀かなめさんは、オスカル役がピッタリで、これぞ私の想像していた
オスカルでした。
実は昔、家に姉の池田理代子原作の漫画 「ベルサイユのばら」 が全巻あり、少年時代
に読みふけっていました。
そのせいでストーリーは完全に頭に入っており、イメージもふくらんでいたのです。
その世界観を表現するために、宝塚の人たちの猛レッスンをはじめとする並々ならぬ努
力に尊敬の念を禁じ得ません。

超絶技巧!

先日、三井記念美術館で開催している 「超絶技巧!明治工芸の粋-村田コレクション
一挙公開-」 という展覧会に行ってきました。
今まで工芸品というジャンルにはあまり興味を持っていなかったのですが、技術の高さ、
独創性、職人の心意気等、すべてにおいて度肝を抜かれるくらい感動し、今年観た展
覧会ではまちがいなくナンバーワンだと思います。
明治時代の工芸品は、ほとんどが海外輸出用であったため、日本にはほとんど残って
いません。
その当時から海外の評価は高かったのですが、名品のほとんどが海外のコレクターが
所有していたので、日本ではあまり注目されませんでした。
1980年代後半、村田理如氏 (村田製作所創業者の子) が海外で明治の工芸品に出会
い、この明治工芸の驚くべき達成を日本人に知らしめたいという熱意を持って収集をはじ
めたそうです。
村田氏は四半世紀ほどの間にオークション等を通じて、それらを買い戻し、現在約1万点
を超す質の高いコレクションになり、京都の清水三年坂美術館で常設展示しています。
そこで、なぜ明治の美術品が素晴しいのかという疑問がうかんできます。
江戸時代は戦もなく平和な時代でした。大名たちはお抱えの職人たちに調度品や武具
を作らせていましたが、実用的なものから装飾的なものになっていき、芸術の域に達した
のではないかと思います。
その後、明治維新を経て失業対策と外貨獲得のため、超絶技巧を生かした輸出用工芸
品作りにシフトしていったと思われます。
そこには大量生産にはない根気のいる精巧さと独創的なアイデア、繊細さが絶対必要で
あり、当時の日本人職人のプライドをひしひしと感じます。
美術、芸術に興味のない人でも、これらの作品を目の前にすれば理屈ぬきで「すごい!」
と感じると思うので、機会があれば是非、実物をみていただきたいです。

石丸幹二さん

先日、あるクラシックのチャリティコンサートに行った時、石丸幹二さんがオーケストラを
バックに歌っていました。
石丸幹二さんといえば、ミュージカルファンの方ならよくご存知だと思いますが、全国的
に人気が出たのは、「半沢直樹」の浅野支店長役だったのではないでしょうか?
実際、石丸幹二さんは浅野支店長役をして以来、街で声をかけられることが多くなった
そうです。
その石丸幹二さんの歌がびっくりするくらい上手いのです。
それもそのはず、劇団四季で長い間、主演を務めてらしたので歌唱力と演技力はお墨
付きなのです。
経歴をみると、東京音大でサックスを学び、東京芸大で声楽を学んだあと、ミュージカル
の世界に入ったので、音楽的な実力は若い頃からそなわっていたのだと思います。
浅野支店長役でブレイクしてから、石丸さんは歌もうたうのだとよく言われたそうですが、
音楽関係が本職で俳優業は副業なのです。
それは「半沢直樹」で金融庁の黒崎役の片岡愛之助さんが本職は歌舞伎役者なのに、
愛之助さんは歌舞伎もするのですねと言われて困ってしまったというエピソードに似てい
ます。
本業と違う分野でブレイクして有名になるというケースが、今後も増えるのではないかと
思っています。

ヒッチハイク

先日、大阪の本社前の国道で片手を上げて、走っている車に何やらアピールしている人
を発見しました。
タクシーを拾おうと思っているのかなと思いましたが、少し様子が違います。
少し近づいてみると、右手の親指を立てて、左手にダンボール片を持っています。
もしや、これは・・・ まさか、そんなはずはない・・・
様々な思いが錯綜する中、確かめるためにその人の前に回り込みました。
なんと、左手に持ったダンボール片には 「和歌山方面」 とマジックで大きく書かれてあっ
たのです。
これは間違いなく 「ヒッチハイク」 だと確信しました。
しばらくすると、車が停まり、何やら交渉しています。
遠くから見守っていただけなので詳細はわかりませんが、その人が後部座席に乗り込ん
でいきました。
ヒッチハイク成功です。
思いがけない光景が、本社玄関前で繰り広げられました。
私たちが思っている以上に、街はグローバルに進化していっているのだなと、実感した瞬
間でした。

脳内トコロテン

街の中で、偶然知り合いに会った時に名前が思い出せない事がたまにあります。
顔ははっきりと覚えているけれど、どこの誰だかわからない・・・
ぎこちない会話になってしまいます。
年齢を重ねると、知り合いの数は膨大になります。
仕事関係、友人、家族の知り合い、よく行くお店の人等、知り合った関係性だけでも思い
出せばなんとかなりそうなのに、街で偶然会うと、どの関係の人なのか全く思い出せない
ことがあります。
人の顔や名前以外でも情報の数は無限に広がっています。
若い頃は比較的すんなり覚えられ、かつ思い出せたのに今では思うようにいかないこと
も多いです。
ある知人が言っていました。
「一つ覚えたら、一つ忘れる。脳内トコロテン。」
ほう・・・そういうことか。
それを逆手にとって、いい記憶を一つ増やしたら、悪い記憶を一つ消却する。
もし、そういう事ができたら、いつかはいい記憶だけになり、悩みや苦しみから解放され、
世の中がもっと平和になるのではと思ったりします。