グレース・オブ・モナコ

ハリウッド女優からモナコ大公のレーニエ3世に嫁ぎ、モナコ公妃となったグレースケリー
の半生を描いた映画 「グレース・オブ・モナコ」 を観ました。
この映画は事実に基づいたフィクションと冒頭に出てきたので、どれが事実でどれがフィク
ションなのかはわかりませんが、モナコの華やかなイメージとは異なる側面がたくさんある
ことに驚かされました。
モナコといえばカジノ、F1グランプリ、グレースケリーとリッチで優雅なイメージが先行しま
すが、国の歴史は過酷です。
フランスやイタリア、ドイツから占領されたこともあり、激動の歴史です。
しかしながら、元首である大公はグリマルディ家が700年以上も前から世襲しています。
外交と軍事はフランスが担当していることからわかるように、フランスの影響がものすごく
強いです。
映画の中で、フランスとの仲が険悪になり、フランスに侵攻されるかもしれないという場面
がありました。
軍隊を持たない小国は、なすすべもありません。
映画ではグレースケリーの活躍で難を逃れます。
現在、フランスとモナコとの関係は良好に見えますが、世界のパワーバランスが崩れると
小国の存在が脅かされる可能性は十分にあると思わせるような映画でした。

知っているようで・・・

世の中にあふれるカタカナ語に戸惑っている人は、多いのではないかと思います。
なんとなくこんな意味だろうと推測し、やり過ごしている経験も何度かあります。
そんな 「知っているようで知らないカタカナ語」 のモヤッとした思いにうまく解説している
記事を読みました。
知っているようで知らないカタカナ語は、ピタッとした訳語がない場合が多いのです。
例えば、オンデマンド配信などで使われる「オンデマンド」
直訳すれば 「要求があればすぐに」 なのですが、国立国語研究所が 「注文対応」 と提
案していますが定着せず「オンデマンド」のまま使われています。
又、文書やデータなどを保存したもので使われる「アーカイブ」
これも「保存記録」と提案しましたが、定着していないようです。
イノベーション (技術革新) も多用されていますが、訳語はピンときません。
失敗例に、こんなものがありました。
「ハイレゾ」 (高質音源) を「ハイレグ」と勘違い
4Kテレビを3K (きつい、汚い、危険) の新バージョンと勘違い
このような勘違いをしないために、わからない言葉はそのままやり過ごさずに調べるくせ
をつけようと思っています。

もしかして、その靴は・・・

先日、東京へ出張に行った時、飛行機のとなりの座席の女性がサロンドグレーの靴を
はいていたのです。
「もしかして、その靴はサロンドグレーの靴ではないですか?」と聞きたい気持ちを必死
で押さえました。
世の中にはよく似た靴がありますが、作っているメーカーからすると、細部にわたり知り
つくしているので、自社の靴はわかるのです。
今、会社の中でサロンドグレーのファンはどのような客層であるのかという分析を行って
います。
年齢、職業、ライフスタイル等、様々な仮説を立てて議論しています。
中心となるファン層のファッションや行動を知ることにより、その人たちのシーン別の靴を
適切に提案できるようにするためです。
最近の女性はアクティブで行動的です。
旅行、観劇、コンサート、習い事、おしゃれしてランチやディナーという晴れのシーンがあ
る一方で、日常のお買い物や散歩、そしてお仕事という普段のシーンが当然あります。
もちろん、オンとオフではファッションも違うので、靴も変わります。
どのようなシーンでサロンドグレーを愛用されているのか。
又、どのような靴が今後必要なのかを聞きたいのです。
皆さんの周りにサロンドグレーのファンの方がいたら、それとなく聞いていただけたらうれ
しいです。

35年前へタイムスリップ

先日、BOSTONというバンドの大阪公演に行ってきました。
なんと、35年ぶり来日公演です。
場所は大阪市中央体育館。
初めて行きましたが、ドーム型の室内体育館で、天井のだ円形のフォルムはBOSTON
のイメージにピッタリです。
BOSTONは天才 トムショルツ率いるアメリカのロックバンドです。エフェクターを駆使した
重厚で幻想的なサウンドは35年前の私を魅了しました。
当日集まった観客は、私を含めて35年前の少年、少女、現在のオジサンとオバサンです。
コンサートが始まって驚いたのが、当時のサウンドと全く同じだったのです。
そう、色あせていないのです。
映像と音響を駆使したトムショルツの演出は、彼の天才ぶりを再認識させるには十分す
ぎるものでした。
中盤に大ヒット曲「ドントルックバック」が演奏されると会場は大盛り上がりです。
オジサンが歌っている・・・ オバサンが踊っている・・・
曲を聴きながら遠い目をしている・・・
皆が35年前にタイムスリップした瞬間でした。
となりのオジサンもあのオバサンも知らないけれど、みんなあの当時にBOSTONを聴
いていたんだなと思うと妙に親近感がわきました。
コンサート帰りの電車の中は、35年前からゆっくりと現在へもどしていく時間旅行のよう
でした。

観光都市大阪

最近、大阪を訪れる外国人観光客の数が増えています。
関西空港を発着する国際便が増えているので、そのまま大阪を訪れる外国人が多いと
思います。
先日、縁あって日本に初めて来た留学生に大阪を案内する機会がありました。
大阪にずっと住んでいるので、外国の人にとってどのような所が魅力のある場所である
のかよくわかりません。
まずは大阪の街を一望できる日本一のビル、あべのハルカスに行きました。
天気もよく晴れわたっていたので、東は生駒のふもとから西は大阪湾、北のビル群、南
は長居公園とよく見えました。
直下の天王寺公園が思いのほか広く感じられ、JRと近鉄電車の交差やその上を車が
通る天王寺バイパスの設置等、都市計画の工夫が随所に感じられ、私は大感動でした。
しかし、留学生の反応はイマイチでした。
それもそのはず、日本に初めて来たので大阪の街を隅々まで一望しても、ただ広いとい
う以外にはないと思います。
気をとり直して、大阪城公園へ。
ここは外国人観光客が多いので受け入れ体制は万全でした。
各国言語のパンフレット、案内板が充実し、係員や露店のお兄さんまで英語がペラペラ
でした。
大阪城の内部もジオラマやビデオ等を使い、飽きさせない展示になっていました。
武将のコスプレコーナーまであり、かぶとをかぶった黒人の男性が「ブラックサムライ」と
大はしゃぎだったのが印象的でした。
もちろん案内した留学生も大喜びでした。
外国人観光客が増えている背景には、施設側のたゆまぬ努力とおもてなしの心意気が
支えているのだと感じました。

オーディオ御三家

私は中高生の頃、オーディオが趣味でした。
今の若い人にはよくわからないと思いますが、スピーカー、アンプ、チューナー、プレー
ヤー等のステレオの一部を構成するオーディオ機器のマニアで、その当時には一定の
ファン層がいて、特別珍しい趣味ではなかったと思います。
全盛期にはオーディオ御三家と呼ばれるメーカーがあり、世界的に有名でありました。
それはアンプの山水電気(SANSUI)、チューナーのトリオ(現JVCケンウッド)、スピー
カーのパイオニアです。
学生の私には当然買えるはずもなく、憧れのブランドでいつかは持ちたいという思いは
ありました。
しかしながら、時代は残酷なものです。
レコードからCD、そしてMP3というデータへ、音楽がアナログからデジタルへと大変換
していき、当然再生機器も大きく様変わりしていきます。
リビングルームの中央に鎮座していたステレオの姿は今はなく、i Podのように持ち運
べる、よりパーソナルなものに変容していきました。
市場が消失したのです。
時代の急激な変化にさらされたオーディオ御三家の現在は悲惨です。
山水電気は破産、トリオは日本ビクターとの経営統合、パイオニアは音響・映像機器事
業を売却致しました。
かつての主力製品は過去の産物となり、現在はカーエレクトロニクスの部門にシフトして
いっています。
時代の変化にさらされる日本企業。
電気大手のソニーが苦しんでいますが、パナソニックや日立は業績を回復しています。
さらされる状況は同じでも、変化にいかに対応していくかという企業の舵取りが明暗を分
けると改めて思いました。

ネーミングの妙

ネーミングがいかに重要であるかは万人が認めるところであると思いますが、最近の
バンド名のインパクトは強烈です。
知っている方も多いと思いますが 「ゲスの極み乙女。」 は一度聞いたら忘れられない
でしょう。
いい、悪いは別として 「何それ?」 と思ってしまいがちです。
そう思わせるとネーミングは成功でしょう。
興味を持った何割かの人は曲を聴いてみるのですから。
最近はすぐにネットで聴けるので便利です。
ネットの伝達力で 「ゲスの極み乙女。」 はブレークしたといっても過言ではないと思い
ます。
休日課長(ベース)、ほな・いこか(ドラムス)というメンバーのネーミングも私のツボです。
曲調もオリジナリティあふれる独創的なフレーズで、なんとなくクセになりそうです。
もし、大ヒットすると 「ゲスの極み乙女。」 というネーミングもなんの違和感もなく普通
の会話の中にとけ込んでいくと思います。
人気バンド 「ポルノグラフィティ」 がそうであったように・・・。

青春時代

先日、近くのカジュアルなイタリアンレストランで食事していた時のことです。
おもむろに店に入ってきた中年のカップルが店の人に言いました。
「2~3曲、いいですか?」
男性の手にはギターがあります。
店の雰囲気を確認した店長らしき人が 「いいですよ」 と言いました。
そうです。流しの人なのです。
はじめは乗りのいいビートルズの曲などを演奏していました。
だんだんお客さんも乗りだして、雰囲気が盛り上がったところで「最後の曲、青春時代」
と言って弾きはじめました。
そう、森田公一とトップギャランの名曲 「青春時代」 です。
「青春時代が夢なんて あとからほのぼの思うもの~」
懐かしいフレーズがよみがえってきます。
この歌は私の青春時代によく聴いた歌ですが、その当時はあまり歌詞の意味を深く考
えていなかったように思います。
流しのおじさんが絶叫風に歌うのをみて、心に響くものがありました。
時を重ねて人生経験が豊富になると、知識、智恵がつくと共に責任や役割が増えてき
ます。
青春時代は何も背負うものがなく、ただがむしゃらに前に向かって突き進んでいたよう
な気がします。
しかし、精神的には不安定で歌詞にあるように「青春時代の真ん中は道に迷っている
ばかり」だったかもしれません。
青春時代はよかったなぁと思う反面、戻りたいとは思わないのは少しは成長した証しな
のかなと思います。

JAL SKY NEXT

先日、出張した際に嵐が宣伝しているJAL SKY NEXTという飛行機に乗りました。 
何が新しいかというと、シートが全て本革シートなのです。
ファーストクラス、クラスJはもちろんですが、普通席までも柔らかでなめらかな質感の本
革シートに統一されていました。
黒の本革に赤のステッチラインをきかせ、ヘッドレストカバーも赤なので黒と赤のシックな
コントラストが高級感をかもしだしていました。
これだけ贅沢に革を使っていれば、一シートで牛ー頭ぐらいの革が使われているのでは
ないかと推測します。
となると、500席で500頭、靴にすれば1万足分ぐらいかなと思ってしまいました。
もし本革シートがブームになり、他のエアラインで使われるようになると、革の値段がま
すます高騰してしまうのではないかと心配してしまいました。
でも、やっぱり本革シートの座りごこちはいいです。
しかも、足元スペースが最大5㎝も広くなっているらしく快適でした。
又、SKY Wi-Fi のサービス(一部有料)も開始しています。
お金を払ってまで機内でインターネットやメールをしたい人がどれくらいいるかわかりま
せんが、一刻を争う人には便利かも知れません。
無料の Wi-Fi では月替わりのビデオプログラムを自分のスマホやタブレットで見られ
るそうです。これは万人受けしそうです。
国内線はLCCの台頭がめざましいです。
JALはLCCと一線を画するために、大きなチャレンジをしているのだと思います。
その心意気を応援したいと思います。

デュフィ展

先日、大阪に新しくできた、あべのハルカス美術館で「デュフィ展」をみてきました。
デュフィはピカソやマティスなどとともに、20世紀前半にフランスで活躍した画家で、私の
一番好きな画家です。
彼は明るい色彩と軽快な筆さばきで社会や生活の明るい側面を描き、常に「生きる喜び」
を表現し続け、人々に夢を与える作品が多いので有名です。
この回顧展をみて、新たなデュフィの魅力に出会えた気がします。
デュフィはその独自のスタイルを確立するまでに絵画以外の分野にチャレンジしています。
木版画の制作、テキスタイルのデザイン、舞台装飾、陶器の絵付け、家具等のジャンルで、
どの分野においてもその才能を発揮しています。
その作品をみていると、着想とデザインがすばらしく、新しいものをとり入れる柔軟性にすぐ
れた天才肌の職人という感じがします。
しかしながら、絵画以外の分野での活躍が目立ちすぎたのか、20世紀の美術史における
デュフィの評価はあまり高くありません。
美術批評家のアポリネールがデュフィを「不遇にして、偉大なる画家」と評しています。
晩年、デュフィは病に悩まされ、時代は戦争に翻弄されます。
しかし、彼は絵画でそれらの暗さを出してはいけないという強い想いで「生きる喜び」を死ぬ
まで描き続けました。
私は、そのことが画家として最も評価されるべき点ではないかと思います。