AIの弱点

10年後にはAI(人工知能)が現在の6割以上の仕事を奪うとも言われています。

果たしてそのような未来は来るのでしょうか?

囲碁や将棋で世界最強の棋士達を圧倒的強さで打ち負かし、瞬時に人の顔を見分け、株式投資のアドバイザーまで行うAIですが、その一番の弱点は肉体を持っていないことだと思います。

人間は痛い、暑い、寒いなどの感覚、感情を肉体から感じ取り、同様に人間関係を通じて精神的な心の痛みや熱い思いなどの体験を実感としてつなげることができます。

AIはビッグデータから知識として学んでいるだけで体験はしないのです。

もちろん有用な知識を学ぶことは大切ですが、お客様の想いや体験に感情移入できるかどうかが良い仕事を生み出す重要な要素ではないかと思います。

日々の仕事の中で得たものが本当に身につくかどうかは人間関係でどれほど生きた経験を積めるかということであり、AIにはできない領域ではないかと考えます。

「あなたから買いたい」「あなたから話を聞きたい」「あなただから任せたい」と思わせるのは人間としての魅力がなせる技です。

AIの出現により、だから人間は素晴らしいと再認識させられます。

ヒュッゲ

世界で最も幸せな国に常にランクインするデンマーク。

デンマーク人にとって生まれながらに持っている価値観が「ヒュッゲ」という言葉に象徴されます。

「ヒュッゲ」は他の言語に置き換えにくく、あえて言うなら「人と人とのふれ合いから生まれる温かな居心地のよい雰囲気」だそうです。

例をあげると「暖炉がちろちろと燃える部屋で家族や友人とお茶を飲む時」

「会社の休憩室で同僚と休日にあったことを語り合う時」

そんな時にデンマーク人は「ああ、ヒュッゲだね」と言うそうです。

ただし一人ではヒュッゲにならないらしく、空間や時を分かち合うことが欠かせないらしいのです。

デンマークでは外食が非常に高く、雨も多い国なので、どうしてもうちに帰って「巣ごもり」する文化があるのだそうです。

特に嵐などの荒天時は「ヒュッゲ度」が高まるらしいのです。

日本では冬になるとこたつでミカンを食べたり、家族や友人と鍋料理を食べたりしますが、これらは「ヒュッゲ」なのかデンマーク人に会ったら聞いてみたいです。

初午(はつうま)いなり

外国人に人気のある京都の伏見稲荷大社。

稲荷神を祀る稲荷神社の総本社です。

五穀をつかさどる稲荷神が降臨された日とされる初午(2月最初の午の日)にお祭りが開かれるようになりました。

稲荷神社では狐が神の使いとして祀られています。

この神の使いである狐の好物が油揚げなので油揚げをお供えします。

そこから油揚げを使った料理を「稲荷」と呼ぶようになり、油揚げの中に酢飯を入れたものを「いなり寿司」というようになりました。初午の日には福が舞い込むよう、いなり寿司をいただくようになったそうです。

2月11日は「初午(はつうま)いなりの日」です。

一般社団法人全日本いなり寿司協会が初午となる日に近い「建国記念の日」と同じ2月11日に定めました。

コンビニやスーパーでは「初午 いなりの日」にいなり寿司を食べようとキャンペーンを行なっています。

土用丑のうなぎ、節分の恵方巻に続く国民的食の行事になるのでしょうか?

私はいなり寿司が大好物なので、そのキャンペーンに喜んで乗ってみるつもりです。

黄金比率

長い時間を経て生み出された絶妙な割合である黄金比率。

その黄金比率に果敢に挑戦した企業があります。

単品として国内で一番売れているお菓子「亀田の柿の種」の黄金比率は柿の種6 に対しピーナッツ4 です。

亀田製菓はピーナツ好きの要望に応えて、柿の種3 ピーナッツ7 というチャレンジングな商品を発売しました。

その名も「柿の種たっぷりピーナッツ」

一方、関東ではおなじみの崎陽軒のシウマイ弁当。

シウマイ5個、タケノコ煮、マグロ、アンズ等々、定位置に収められたシウマイ弁当は安定感抜群です。

最近、弁当が食卓でのおかずに利用されることも多くなっており、人気のタケノコ煮を通常の4倍にし、シウマイを3個にした弁当を発売しました。

その名も「ドリーミング タケノコ シウマイ弁当」

両商品とも好評だったそうです。

しかしながら、じっくりと購入者の反応を聞いてみると「さすがに飽きて。普段の量が一番。」という声が多いそうです。

変化させた比率は黄金比率の正しさを再確認させる結果となりました。

呉氏

広島県呉市。そのPRキャラクターがすごいのです。

その名も「呉氏」

体は全身瀬戸内海をイメージしたターコイズブルー、顔はそのまま「呉」の一文字になっていて、呉の上部の口がそのままキャラクターの口になっています。

背中は読みの「クレ」と書いていて子供にも分かりやすいのです。

ぬりかべのような体ですが、キレッキレのダンスを踊ります。

曲はTRFのヒット曲「CRAZY GONNA CRAZY」の替え歌「呉ー市ーGONNA呉ー市 クレーシーゴナクレーシー」

そのプロモーションビデオが秀逸です。

呉氏のシュールな存在感、ラブストーリー仕立ての脚本、だじゃれ満載の歌詞、壮大なロケ、大人がそんなに真面目にふざけていいのかと思ってしまいます。

しかし、見終わったあとは呉市の名前とその街の良さが伝わってきて行ってみたくなります。

ユーチューブでの再生回数は70万回以上に達したそうです。

2018年、呉氏はブレイクするのか?期待したいです。

薄底VS厚底

あけましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いします。

昨年のTBS系ドラマ「陸王」で竹内涼真が箱根駅伝の元スター選手の挫折と栄光の軌跡を好演し大ヒット致しました。

そのせいもあり、今年の箱根駅伝は今まで以上の人気と盛り上がりがあったのではないかと思います。

結果的には原監督率いる青山学院大の4連覇となりましたが、見ごたえは十分にありました。

私が一番注目していたのは「薄底」と「厚底」の対決です。

従来、靴底は薄くて軽いのがいいとされ、走法は足の中央部で着地するミッドフット走法が最適とされてきました。

しかし昨年、ナイキが真逆の厚底靴を出し世界を驚かせました。

その靴はヴェイパーフライ4%。

かかとが厚いのでまっすぐ立つと前かがみになり、走ると足の前部で着地するフォアフット走法になります。走り方を根本から変えなければ対処できません。

そのナイキの厚底靴を取り入れたのが東洋大学です。

下馬評の低かった東洋大学は往路優勝。総合でも2位と大健闘しました。

東洋大学は今年のメンバー10人のうち9人が残ります。

彼らがその経験を生かし、ナイキの厚底靴の走法を会得すれば青学の5連覇を阻止することも十分に考えられます。

アディダスの青学かナイキの東洋大か、来年の箱根駅伝は2大スポーツメーカーの代理戦争でもあるのです。

チャップリン

世界の喜劇王、チャーリーチャップリンは常に激動の時代の中で生き抜いてきました。

チャップリンの両親はイギリスのミュージックホールの芸人でした。

その影響でチャップリンも俳優の道を歩むのですが、その道は苦難に満ちあふれていました。

悲劇的な現実の中で「笑い」というものが生きていく上で衣食住と同じくらい必要なものであると身を持って知ったそうです。

捨て子と育ての親との情愛を描いた「キッド」、ゴールドラッシュのアラスカでの飢えと欲望を描いた「黄金狂時代」、盲目の花売り娘に放浪者チャーリーが献身的に尽くす名作「街の灯」と立て続けにヒットを飛ばします。

笑いと涙を融合させたチャップリン独特のスタイルが確立されていきました。

1931年から32年にかけてチャップリンは世界旅行に出掛け、ヨーロッパや日本でのファシズムの台頭を肌で感じ、世界の危機に関心を持つようになります。

チャップリンは「ヒトラーを笑いものにしなければならない」と思い、世紀の問題作「独裁者」を作り、世界中で大ヒットさせます。

茶化されたヒトラーは次第に力を失っていきます。

歴史はたった一人で立ち向かったチャップリンの勇気の正しさを証明しました。

そして独裁者を倒した武器とは「笑い」でありました。

1977年12月25日チャップリンは人生の幕を閉じました。

没後40年、チャップリンの残した偉大な作品は、現代に生きる私たちに多くのことを教えてくれます。

 

キャッシュレス社会

現金のない社会、すなわちキャッシュレス社会が日本にも訪れるのは間違いないと思います。

現に中国では電子決済サービスが急速に広がり、2016年のスマホ決済額は日本円で600兆円にまで膨らんでいます。

使い方はいたって簡単。店にあるQRコードをスマホで読み取り、金額を入力するだけで完了です。すぐに残高から引き落とされます。

中国には電子決済サービスが広がる理由がありました。

お店で十分なおつりを用意されていなかったり、自販機でも使える紙幣が限られていたりと常に不便を感じていたそうです。更にニセ札をつかまされるリスクもあったそうです。

又、クレジットカードは与信管理が厳しく、一般の人にはあまり広がりませんでした。

そのような状況の下、中国では一気にキャッシュレス社会に突入しました。

日本ではどこでも現金が使えて、クレジットカードも大半の店で使用でき、支払いにおける不便さはあまり感じません。

しかしキャッシュレス社会にはより良い点がたくさんあるので、爆発的な普及をするのではないかと思います。

まず、現金のやりとりにかかる手数料がなくなります。

商店のレジ締め業務、現金管理業務がなくなります。そもそも銀行に現金を預けに行ったり、引き出したりすることもなくなります

そうなると現金を落としたりすることもなく、銀行強盗やコンビニ強盗もなくなり治安が良くなります。

普及にはQRコードとアプリだけでOKです。

「昔は電車に乗る時に切符を買っていたね」と言うように近い将来、「昔は現金を使っていたね」と言っているのかもしれません。

デジタルアーカイブ

2017年の美術館展覧会も大変な盛況で混雑していたようです。

入館してからも人気の高い作品には黒山の人だかり。

じっくりと鑑賞する時間はなかなかありません。

そんな悩みを解消するのが美術館のデジタルアーカイブです。

美術館の収蔵品をデジタル化して公開しています。

すごいのが米メトロポリタン美術館のサイトで、その数なんと45万点以上。それでも同美術館の収集品数からすれば一部だそうです。

スマホやパソコンで手軽に鑑賞でき、画像のズームアップも可能です。

極め付きはダウンロードボタンです。

メトロポリタン美術館のサイトでは、ゴッホでもルノワールでもセザンヌでもゴーギャンでもダウンロードできる画像については誰もが自由に使用することができるそうです。

商用目的でもOKで、許可申請の必要もありません。

なぜそこまで太っ腹なのかというと、ウェブ上に拡散している質の悪い画像に一般の人が惑わされないように美術館としては高精細画像で公開して本物を知ってほしいという思いがあるのです。

実際にウェブ上の粗悪な画像を見た人が、美術館の本物を見た時に「この絵は色がおかしい」と思うこともあるそうです。

日本の美術館や博物館はまだまだデジタル化が進んでいないのが現状ですが、是非デジタルアーカイブを普及してもらいたいと思っています。

 

 

想像は創造の母

地方に出張に行った時、電車の窓からぼんやりと街をながめるのが好きです。

住宅、工場、学校、消防署、そこには人々が住んでいる気配があり、生活感があります。

この街の産業は何だろう、子供たちはどうやって学校に通っているのか、バスか自転車か徒歩か、祭はあるのか、買い物はどうしているのか等、他愛のないことを想像したりします。

そこに正解は求めていません。

ああでもない、こうでもないと想像するプロセスが重要なのです。

イマドキの若者は答えを調べてきます。

「この街の基幹産業は自動車部品産業で、子供たちの通学手段は60%が自転車通学、40%が徒歩、秋に大きな祭りがあり、買い物は郊外のショッピングセンターを利用することが多いです」

自らが考えたものではなく、データを調査し羅列しただけです。

そのような手法でこの街の不満、足りないものを想像し、問題解決のための手段を創造することができるのかと思うことがあります。

データに表れない人々の思いをキャッチして新しいモノを作っていく上において想像する訓練は重要です。

いろいろな想像の積み重ねから創造は生まれるのですから。