早乙女太一

大阪の新歌舞伎座で行われている早乙女太一特別公演を観に行ってきました。

実はあまり早乙女太一のことを知らなかったのですが、さすが「100年に一人の天才
女形」といわれるだけあってその美しさ妖艶さは度肝を抜かれるくらいすごかったです。

彼は19歳という若さで座長を務め、そうそうたる俳優さんたちをしたがえ新歌舞伎座
を満員にしてしまうとは本当にたいしたものだと思います。

聞けば、2008年2月に16歳で新歌舞伎座史上最年少記録の初座長公演に挑んだの
を皮切りに東京、名古屋、大阪の大劇場で座長公演を成功させ、様々な舞台で活躍
する超有名スターなのですね。

知らなかったです。恥ずかしいです・・・。

大衆演劇「劇団朱雀」の座長の子供として生まれ、小学生の時にあのビートたけしさ
んに目をつけられ映画に出演したのがきっかけだそうです。

やはり大物はスターを見抜く目があるのですね。

脇をかためる俳優に安倍なつみ(元モーニング娘)や太川陽介(アラフォー世代のアイド
ル)等が出演しておりました。

なっちも最近テレビで観なくなったなと思ったら舞台でがんばっているのですね。

少しホッとした気分になりました。

十日戎

関西には1月10日の十日戎(えびす)というお祭りがあります。

戎様は七福神の中の一人で、釣り竿と鯛を両手に持ってほほえんでいる神様で、商
売繁盛の神として親しまれています。

私たちの会社は大阪の今宮戎神社の近くにあり、毎年行って福をもらってくるというの
が恒例になっています。

今年は成人の日と重なったので、11日の残り福に行ってきました。

気のせいか今年は人出もさい銭も少し少なめな感じがしました。

ひと通りお参りを終えて、これも恒例になっているおみくじを引きました。

今年の運はどうだろうと引いた番号をいかにも人のよさそうなおじさんに渡したところ、
おじさんはそのおみくじの紙片をチラッとみてこう言いました。

「もういっぺん引き」

「ええー、おみくじのやり直しですか?」と心の中でつぶやきながらもおじさんの好意を
うけて、もう一度引きました。

「うん、こっちのほうがええで」と吉と書かれた紙片をくれました。

最初の紙片に何が書いてあったのかわかりませんが、おそらく凶であったのでしょう。

お客様に気分よく帰ってもらおうとする関西のサービス精神がこんなところにもあふれ
ているのかと感慨を深くしました。

おじさんの満面の笑顔が印象的で、戎様から福をもらった気がしました。

今年の漢字

2010年の「今年の漢字」は「暑」に決まりました。

確かに今年の夏の暑さは異常で記録的な猛暑であったことは間違いないのですが、
寒い日々のつづく昨今では暑い夏は遠い記憶のような気がしてしまいます。

12月はいろいろな会の集まりが多く、その中で私にとっての「今年の漢字」はこうで
あったとスピーチをする方を多くみかけました。

そこで自分なりの「今年の漢字」は何だろうと考えてみました。

そして「挑」ではないかと思っています。

「挑戦」の「挑」で「挑む(いどむ)」です。

今年一年をふり返ってみると、新しいことに挑んだ一年であったと思います。

テレビ出演、ラジオ出演、講演等初めての経験をさせていただきました。

TOEICや日経テストも初めて受けて、学生に戻った気分も味わいました。

会社の方でもX線検査機を導入して独自の検査体制を構築したり、未経験の新入社
員に入社してもらい、一から育てていく人材育成システムに挑戦しています。

新しい事にチャレンジするということは大変なことも多いですが、知らない世界を知る
ことができるのが有意義だと思います。

人は年齢を重ねるほど新しいことをしなくなり、保守的になりがちです。

しかし、それでは成長はありません。

新しい世界を知り、恥をかき、勉強し、克服するというサイクルを経ないと真の成長に
はつながらないと考えます。

来年も新しい世界に挑戦し続ける自分でありたいと思います。

龍馬伝

NHKの大河ドラマ「龍馬伝」を1年通して観ました。

大河ドラマを1年間欠かさずに観たのは久しぶりでした。

福山雅治演じる坂本龍馬は、はじめのうちは少し物足りなさを感じておりましたが、だ
んだんとよくなって終盤には流石と思わせる演技でありました。

時代が大変革する幕末に日本中を内戦状態にすることなく、近代国家への一歩をふみ
出すことができたのは奇跡であると言われています。

もし内戦状態になっていれば諸外国の支配をうけ、現代の日本の繁栄はなかったので
はないかと思います。

そう思うと当時の人の智恵と英断に頭が下がる思いです。

その中でも坂本龍馬の活躍は、その先見性と行動力において群を抜いていると思いま
す。

しかし、悔やまれるのは最終回の龍馬暗殺の場面です。

1年の中で最高のクライマックスシーンに地方選当選確実のテロップが流れたことです。

最終回が近づくにつれて、龍馬暗殺まであと何ヶ月と最高潮に向けてのカウントダウン
で視聴者をあおっていたのに、肝心の暗殺シーンで龍馬の顔にテロップがモロにかかっ
てしまいました。

「タイミングが悪すぎる・・・」

1年間大河ドラマの制作に苦労された人たちの努力を想うと、あまりにひどいタイミング
であったと思います。

もちろん地方選の結果が大事ではないと言っているのではありません。

ただ今回の選挙は自民、公明、民主の「相乗り」候補が次点候補を圧倒的大差で勝利
した選挙で、それほど緊急性を要するものではなく、又当確を打つタイミングはNHKの
判断でできたのではなかと思うのです。

せめてあと30秒でも遅くしていれば、こんな騒ぎにならなかったのにと悔やまれます。

涙のシュークリーム

出張先のある夜、翌日の朝食を買おうとコンビニに寄った時の話です。

ついでにプリンも買おうと思ったのですが、お気に入りのプリンがなかったのでや
めようか思ったところ、その横においしそうなシュークリームを発見しました。

「今日はプリンではなくシュークリームにしよう」と思い、かごに入れレジに向かい
ました。

レジで精算しようとしたところ、そのシュークリームだけバーコードが異常な音をた
て、反応したのです。

「お客さん、このシュークリーム ダメですね。消費期限が切れています。」と店員さ
んが言いました。

そのシュークリームを見てみると、約1時間前に消費期限が切れていました。

「別にいいけど・・・。」と言いそうになった時、別の店員さんが陳列棚の方で叫びま
した。

「最後の1個のようです。」

買えませんオーラを出す店員さんの前で、私は「わかりました。」と、ものわかりの
いいお客を演じざるを得ませんでした。

でも心の中では違っていました。

「1時間ぐらいやったら大丈夫でしょう。消費期限切れはどうせ捨てるのだから売っ
てくれてもいいのに。店の売上は上がるし、お客さんも楽しい夜が過ごせるし、おま
けに環境にもやさしいし・・・」と愚痴っぽく考えていました。

シュークリームの入っていないコンビニ袋を持った背中が、店員さんにはさびしそう
に見えたかもしれません。

こけら落とし

大阪のなんばにあった新歌舞伎座が上本町に移転し、新装開場されました。

新劇場は総席数1453席で、廻り舞台をはじめとした最新の設備を備えており、演
者と観客の距離が近い臨場感あふれる空間を創り出しています。

このたび、こけら落とし公演である二十一世紀歌舞伎組を観てまいりました。

ちなみにこけら落としとは、新しく建てられた劇場で初めて行われる催しのことです。
こけらとは木片のことで、工事の最後に木片を払いおとすことからそのような名前に
なったようです。

二十一世紀歌舞伎組は、スーパー歌舞伎で有名な市川猿之助が総監修を努める
一座で右近、笑也等、実力者ぞろいです。その演目はどれも期待通りのすばらしい
ものでした。

私はそれほど歌舞伎通ではないので、場内で借りたイヤホンガイドがとても役に立
ちました。歌舞伎を観ている間中、ストーリー展開から衣装、三味線等の解説をそっ
と絶妙のタイミングで教えてくれるのです。

まるで歌舞伎通の人といっしょに観ているような楽しさでした。

特に演者の衣装や持ち物の世話をする後見と呼ばれる人たちの立ち居振る舞いは、
その所作に無駄がなく見事なものでした。まさしく役をわきまえているといった感じで
した。

その後見といった役まわりも、イヤホンガイドがなければほとんど気にも留めなかっ
たでしょう。

物事を深く観る、深く知ることによって新しい発見があるのだということをあらためて
感じたこけら落とし公演でした。

負けられない闘い

近所のよしみで永年通っている英会話学校が、TOEICテストを受けてみ
ないかと熱心にすすめてくれたので受けてみることにしました。

TOEICテストとは英語によるコミュニケーション能力を幅広く評価する世界
共通のテストで、世界約90ヶ国、年間500万人が受験するテストです。

今まで英検とかは受けたことがなかったので、軽い気持ちで受けてみるこ
とにしたのですが、予想外の展開になってしまいました。

娘(高3)と息子(高1)もその英会話学校に少しお世話になっていた関係で
TOEICテストを受けることになったのです。

なんと同日、同時刻に同じ内容のテストを親子で受けるというガチンコ対決
になってしまいました。

結果は合否ではなくスコアででるので、どのくらいの差があったのかも一目
瞭然です。

親として負けられない闘いです。

試験当日は親子で机を並べて受験するという未体験の世界でしたが、120分
200問の問題は予想以上に難しく、集中力を保つことがつらかったです。

結果はどうあれ、同じ苦しみを味わった同士のような気持ちになりました。

1ヵ月後の結果通知のあと、親のメンツが保たれていればいいのですが・・・。

アラフォー世代

先日、アラフォー世代をターゲットとしたFM放送を偶然聴きました。

その番組は、モーニング娘の新垣里沙ちゃん(21歳)とアラフォーのベテラン女性DJ
がMCを務める10時間の生放送だったのですが、聴いているうちにハマってしまい、
思いがけない楽しい時間になりました。

いろいろな人がゲストとして登場し、自分の思い出の曲をリクエストし、その時代を
語るといった極めてシンプルな内容なのですが、私も含めたアラフォー世代はあの
夢のようなバブル時代の若者であったのでゲストやDJの話にはとても共感をおぼ
えました。

音楽はチャゲ&飛鳥、松田聖子、荒井由美(松任谷由美ではなく)、米米CLUB等、
なつかしい歌のオンパレードです。

気のせいか、その当時の曲は勢いがあり、パワフルであったように感じます。

音楽シーンの中でもエイティーズと呼ばれる1980年代のアーティストは、最近の若
い人たちの間で注目されているそうです。

そういえば、若い人たちと話していて意外な発言を耳にしました。

若い人  「この曲、エイティーズですよね・・・」

私     「こんな曲よく知ってるね」

若い人  「僕、けっこう好きなんですよ。ナツメロが・・・」

私(心の声)「ナツメロとちゃうやろ!ナツメロというのは田端義夫とか橋幸夫とかの
懐かしのメロディのことやで」

と言いたかったのですが止めました。

その若者にとっては親の世代ではやっていた懐かしのメロディ、すなわちナツメロな
のですから・・・。

多分、数年後にはこう言っているかも知れません。

「年寄り扱いしたらあかんで、まだまだ若い者には負けへんからな」

20数年前に諸先輩から聞いた言葉です。

歴史はこうゆう風に繰り返されていくのかも知れません。

不機嫌なプールサイド

先日、今年初めてプールに行ってきました。

その日もうだるような暑さで、プールも人が多く大盛況でした。

プールサイドのカフェに行くと、皆一様に不機嫌モードでした。その理由はすぐに
わかりました。

「ほとんど料理が来ていない・・・」

お客さんは店員を呼びつけ、クレームを言い始めます。

謝る店員、てんてこ舞いの厨房、混乱する店内、そのような状況でオーダーミス
等が発生し、混乱に拍車をかけます。

そこで信じられない光景を目にしました。

一番奥のテーブルの熟年グループが喰い逃げしたのです。

もちろん喰い逃げする瞬間を見たわけではないのですが、山ほど飲み喰いした
あげく誰もいなくなっていました。

店員さんがポツリと「喰い逃げされたようです」と言っていました。

いい年をした大人が混乱に乗じて喰い逃げしようとする発想がなんとも情けない
思いです。

店側もクイックメニューを増やすとか、店の出口に人を張り付けるとか、改善する
ポイントはいくらでもあるような気がしますが、年に数回あるかないかの大混雑に
常時用意をしておくわけにもいきません。

私も学生の頃、海の家でバイトをしたことがあるので、そのへんの事情は理解で
きます。とにかく、ヒマな時と忙しい時の差が激しすぎるのです。

この教訓を糧にして次回、プールに行く機会があればしっかりと腹ごしらえして出
かけたいと思います。

犬の誕生日

7月に愛犬チョコ(トイプードル・オス)が5歳の誕生日を迎えました。

昨年は、はりきりすぎて犬用のケーキを食べさせたところ腹痛でダウンさせた苦い
経験があるので、今年は大好物のぺティグリーチャムにしました。

大好きな散歩も余分にしようと思いましたが、夏バテしそうなのでいつのも通りのコ
ースにしました。

犬の1歳は人間の7歳に相当するといわれています。

するとチョコは、人間でいうと35歳のおっさん犬です。

子犬の時から飼っているので、中年から老年になっていくチョコの姿は想像ができ
ませんが、近い将来にそうなることは確かなので覚悟をしておかねばなりません。

ところで、日本で一番有名な犬であるソフトバンクのおとうさん犬は何歳なのでしょ
う?

息子と娘が立派な大人なので中年以上であることは間違いなさそうです。

先日、テレビ番組に出演されていたソフトバンクの孫正義さんが、なぜお父さん役
が犬になったのかを語っていました。

要約すると、お父さん以外のキャストは全員決まっていて、お父さん役のみが決ま
らずに撮影日が近づいてきていました。大物俳優はスケジュール的に無理で中途
半端な人ではバランスが悪いという状況でした。

苦肉の策として、その家のペットとして決まっていた犬を、お父さん役に抜擢したの
です。大コケするリスクのある大決断です。

しかし、それが見事に当たったのです。

今やおとうさん犬が旅に出たり、選挙に出たりするたびにストーリーに意外性が出て、
注目度が増しています。

ヒットの裏には、切羽詰った状況での勇気ある決断がかくれていたのです。