世界の喜劇王、チャーリーチャップリンは常に激動の時代の中で生き抜いてきました。
チャップリンの両親はイギリスのミュージックホールの芸人でした。
その影響でチャップリンも俳優の道を歩むのですが、その道は苦難に満ちあふれていました。
悲劇的な現実の中で「笑い」というものが生きていく上で衣食住と同じくらい必要なものであると身を持って知ったそうです。
捨て子と育ての親との情愛を描いた「キッド」、ゴールドラッシュのアラスカでの飢えと欲望を描いた「黄金狂時代」、盲目の花売り娘に放浪者チャーリーが献身的に尽くす名作「街の灯」と立て続けにヒットを飛ばします。
笑いと涙を融合させたチャップリン独特のスタイルが確立されていきました。
1931年から32年にかけてチャップリンは世界旅行に出掛け、ヨーロッパや日本でのファシズムの台頭を肌で感じ、世界の危機に関心を持つようになります。
チャップリンは「ヒトラーを笑いものにしなければならない」と思い、世紀の問題作「独裁者」を作り、世界中で大ヒットさせます。
茶化されたヒトラーは次第に力を失っていきます。
歴史はたった一人で立ち向かったチャップリンの勇気の正しさを証明しました。
そして独裁者を倒した武器とは「笑い」でありました。
1977年12月25日チャップリンは人生の幕を閉じました。
没後40年、チャップリンの残した偉大な作品は、現代に生きる私たちに多くのことを教えてくれます。