線香花火

今年の夏は異常気象でした。

ゲリラ豪雨、川の氾濫、浸水、雷など全国各地に被害がでました。

東京は8月に入りお盆すぎまで、ずっと雨で青空がなかった一方で、大阪は連日33度から35度の猛烈な暑さが続いておりました。

そんな夏もそろそろ終わりを迎えています。

夏が終わる時期は祭りのあとのようなさびしさを感じます。
特に線香花火をしたあとは。

線香花火は4回の変化があり、そのひとつひとつに名前が付いています。

最初にチロチロとふくらんで燃える様が「牡丹」

次にパチパチと勢いよく音が鳴る「松葉」

だんだん火足が下がるのが「柳」

細い火玉が一本また一本と消えていくのが「散り菊」

これら4つの現象を経て、小さな玉になった火は静かに落ちていきます。

この線香花火の変化は、昔から人の一生にも重ねられてきました。

すくすくと育つ「牡丹」時期、青春時代から働き盛りの「松葉」時期、人間的に円熟味を増す「柳」時期、衰えて静かに光が消えていく「散り菊」時期。

このように人の一生を重ねながら線香花火を鑑賞するとより味わい深いものになるのではないかと思いました。