ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)による排ガス規制不正問題が発覚し、大スキャンダルに発展しています。
真相はまだ全て解明されていませんが、検査の時だけ排ガス浄化装置をフル稼働させて基準値を満たす一方、公道走行時は最大40倍も排出していたという事実は悪質性が高いと言わざるを得ません。
うっかりミスや確認不十分といった過失的なものではなく、消費者を欺く意図があるという点で同情の余地はありません。
又、不正を指摘したのがアメリカの環境保護局で、欧州での指摘が今までなかった事も色々な疑念を生みます。
傘下にアウディやポルシェなどの高級車から商用車まで幅広いブランドを抱えるフォルクスワーゲンは世界販売台数1000万台を超えるドイツの大手自動車メーカーです。
巨額の税収と雇用を生み出しているフォルクスワーゲンにドイツ政府が強く言えない背景もあるようです。
そう思うと不正の温床はあったのでしょう。
ただ私は、ドイツ人という民族は、質実剛健でまがったことが嫌いのイメージがありました。
そのイメージがもろくも崩れ去りました。
せめて不正の摘発が社内、もしくはドイツ国内からあがっていれば、救いはあったかもしれません。
何を信じればいいのかと虚無感に襲われる事件でした。