先義後利

私は以前より大丸の奥田務さんという経営者に興味がありました。
老舗百貨店の大丸を松坂屋と統合させ、プラザやパルコを買収し、ピーコックストアを売却
するというダイナミックな離れ業を成し遂げたからです。
もはやJフロントリテイリング(大丸・松坂屋グループ)は百貨店業ではなく、総合小売業(マ
ルチリテーラー)として生き残っていくと方針を決めたのでしょう。
現在工事中である松坂屋銀座店の跡地には、銀座最大級の商業施設が2016年に誕生す
る予定ですが、百貨店は入らないと発表しています。
時代の変化を敏感に感じとり、軋轢がありながらも企業を大胆に変化させていく姿勢が本
当にすごいなと思っておりました。
そんな時、奥田さんの著書「未完の流通革命 大丸松坂屋、再生の25年」という本を読み
ました。
そこには孤高の改革者 奥田務さんの果てしない挑戦と挫折が描かれています。
もちろん順風満帆ではなかったと推測していましたが、これほどまで深く悩み、決断されて
いたのかと思うと胸が熱くなりました。
著書の中で奥田さんは、常に「時代の変化」と戦ってきたと述べています。
価値観やライフスタイルが刻々と進化する中で変化の兆しを捉え、手を打った日々であっ
たと。
変化に対応できた企業だけが生き残ると言っています。
その中で常に大事にしてきた理念が 「先義後利」 だそうです。
簡単に言えば、社会やお客様のためになることを常に考え、行動すれば利益は後からつ
いてくるという意味です。
私もとても共感しています。
このたび縁あって、今春より松坂屋上野店2Fの婦人靴売場に出店することになりました。
先義後利の理念を学びたいと思っています。