理由なき繁盛店

出張先での楽しみのひとつに、地元の名店を探すというのがあります。
東京の都心部は有名チェーン店が軒をつらねており、一定のレベル以上のサービスと味
で競い合っています。
どこに入って食べても、ハズレなしという印象で悪くありません。
しかし、東京郊外となると事情が変わってきます。
駅前や商店街等では、チェーン店よりも昔ながらの地元の店が多いように思います。
訪れた店の中でも、昔からの味とサービスで地域の人に愛されているのだなと感じる店
も少なくありません。
しかし、たまになぜこの店が繁盛しているのか全くわからない店があります。
味もサービスもいまいちで、しかも値段が高い、それでもそこそこ賑わっている。
繁盛している理由を必死で自分なりに探しても一向にわかりません。
たどりついた仮説が「競合がない」ということでした。
ライバル店が出店するほどの立地でもなく、つぶれてしまうほどの過疎感もないという絶
妙のバランスで存続してきて、競合がないため改善する努力もしないという結果なのかな
と考えました。
そう思うと「このままで十分」と考える危機感のなさが一番危険であるように思います。
一昔前の小売業は安定した時代がありました。
ところが、スーパーやショッピングモールの台頭で競合にさらされます。
準備もなく、ノウハウもない店は淘汰の波にのみこまれます。
今後もその流れは変わらないでしょう。
お客様との関係性を大事にし、その地域で愛される、理由のある繁盛店をひとつひとつ丁
寧に作り上げていきたいと思っています。