先日、弊社の底付職人さんが引退しました。
弊社に勤めて20年以上、職人歴は60年以上という大ベテランで、年齢は80歳を超えてい
たと思います。
その人はそんな高齢とは思えないほどに元気でハツラツとしていて、ゴルフやカラオケを
趣味に、まさに人生を楽しんでいるといった感じの人でした。
職人としての腕も確かで、後輩の面倒見もよく、人として尊敬できる部分がたくさんありま
した。
その職人さんが4月末日で引退したいという申し出がありました。
私たちにとっては突然のようであっても、その職人さんにとってはいずれ引退の日が来る
と覚悟をしていて、それがたまたまその日であったのかも知れません。
職人の世界はサラリーマンのように定年がある世界ではないので、自分の身体が動く限
り、自分の腕が通用する限り働くことが可能です。
現実に職人さんが引退されるのは、身体を壊して働けなくなってしまうことが大半です。
今回のように余力を残して、自ら決めた日まできっちりと勤め上げて、スパッと引退すると
いうことは非常にまれなケースです。
その職人さんのいない職場をみて心に誓いました。
残してくれた功績に恥じないよう、私たちは技術を継承し、切磋琢磨していかなければい
けないと。