フェルメールの名画「青いターバンの少女」が関西に来たので、神戸市立博物館へ行っ
てきました。
「青いターバンの少女」の正式タイトルは「真珠の耳飾りの少女」で1665年頃の作品と
いわれています。
日本では江戸時代初期、ようやく平穏な時代を迎えたあたりです。
フェルメールの生まれたオランダは当時、スペインから独立し海上貿易がさかんで、とて
も豊かな国でした。
17世紀のオランダは黄金時代と呼ばれるくらい国としての活力があったのでしょう。
「光と闇の画家」と言われたレンブラントや「フランダースの犬」の主人公ネロが死ぬまで
あこがれ続けたルーベンスを輩出しています。
オランダの絵画は、他のヨーロッパ諸国に比べて宗教画が少ないです。
その分、風景画や肖像画、静物画(せいぶつが) が多いようです。
私は最近、静物画が好きです。
静物画は静止した物(花、果物、本など) を対象としていて、はかなさの絵画といわれて
います。
燃えているロウソク、花瓶の中の花、漂うシャボン玉等は、時の流れの中で滅びゆく様
を表しているとか。
仏教の諸行無常 (何事も同じ状態で続くものではない) の精神と同じです。
数々の栄光を手にしてきたヨーロッパ諸国が今、出口の見えない危機に苦しんでいる事
とオーバーラップして深く考えさせられます。