最近よく「上から目線」という言葉を耳にします。
本来は対等の関係であるのに、優位的な立場での言動を「上から目線」というわかりや
すい言葉で表しているのだと思います。
しかし、若い人の中で明らかに間違っている価値観の中で使っているケースがあるよう
です。
例えば、上司が部下に対してアドバイスを与えた時に上から目線で言われたと思う人が
いるようです。
その時の関係性においては明らかに上下関係があり、上からの指導は当然であるにも
かかわらずです。
これはどういった構造なのでしょうか?
私が推測するに、一つの原因は人間関係の未熟さでないかと思います。
社会に出るまでに特に強い上下関係のある人間に深くかかわらずに、同世代の同じよう
な価値観をもった人間とのみつき合っていると、上下関係のある人間関係に慣れることは
ありません。
そのような若者が少しきつく指導されると「上から目線」と過剰に反応してしまうのではな
いでしょうか?
私の若い時は一歳違いでも先輩、後輩の差は歴然で、近所や親戚の口うるさい年長者
たちがたくさんいて、その中で自然と上下関係のある人間関係が形成されていったよう
な気がします。
若者側からの反論として、仕事上の知識や経験又は、人間的な器において優れている
ものはないのに、ただ立場や年齢が上というだけで一方的に決めつける言動が問題で
あるという指摘もあるようです。
上司や年長者も厳しい時代ですが、有益なアドバイスをうまく伝えるためにも伝える工夫
が必要ではないかと思います。