先日、街を歩いていると大きな箱をかかえた若者に声をかけられました。
「すいません、今、配達中なのですが・・・ おいしいぶどういかがですか?」
「はっ・・・」
みると、その箱の中においしそうなぶどうがいっぱい入っていました。若者はいかにも
人がよさそうで汗をいっぱいかいていました。
買ってあげようかなと思ったのですが、あいにく仕事中で次の仕事にぶどうを持って行
くわけにはいかなかったので断りました。
「ごめんね、今仕事中だから・・・」
「あっそうですか、又、お願いします」と若者はさわやかな笑顔で去っていきました。
するとその日の夕方、FMラジオのDJがこんなことを言っていました。
「今日、街を歩いていると汗をいっぱいかいた若者に声をかけられて、ぶどういりません
かと言われたんです」
そのDJが声をかけられた場所と私が声をかけられた場所はかなり遠かったので同一
人物ではないと思います。
このぶどう売りは偶然なのか、はたまた偶然を装った必然なのかわかりませんが、ぶ
どうを欲しがっていない人を一気に買う気持ちにさせてしまうという点では斬新な手法
だなと思いました。