MITSUKO

先日、MITSUKOという安蘭けいさん主演のミュージカルのプレビュー公演に行って
きました。

プレビュー公演とは、公演初日以前にお客さんを入れて本番と同じように演じ、最終
チェックをするというもので途中で演出家が止めて指導をすることもあるようです。

そのため料金は通常公演より安く設定されています。

ミツコはヨーロッパで最も有名な日本人であるといわれています。

時代は文明開化真っ只中の明治時代、日本に赴任してきたオーストリアハンガリー
帝国の外交官ハインリッヒ伯爵に見初められたミツコは結婚しヨーロッパへ渡ります。

ミツコは伯爵夫人として、ヨーロッパ社交界にデビューします。

しかし、ハインリッヒ伯爵が急死してしまいます。ミツコは異国での孤独感と闘いなが
ら、7人の子供にすばらしい教育を受けさせて立派に育て上げていきます。

当時のヨーロッパは第一次世界大戦がおこりオーストリア帝国が崩壊し、ナチスドイツ
が勢力を伸ばすなど激動の時代でありました。

その時代を勇気ある情熱で自立した生き方を貫いた「黒い瞳の伯爵夫人」ミツコにヨー
ロッパの人たちは感銘をうけたのでしょう。

世界的に有名な香水、ゲラン社の「ミツコ」はそこから命名されたといわれています。

又、ミツコの次男 リヒアルト伯爵はEUの概念を作った「欧州連合の父」として有名で
映画「カサブランカ」のモデルにもなりました。

しかしながら、ミツコの晩年は子供達が寄りつかず、さびしいものであったようです。

ミツコが親の反対を押し切って単身欧州へ渡り、自立した生き方を目指したため、子
供達もそれぞれ自立して親元をはなれていってしまったようです。

「因果応報だね・・・」とつぶやくミツコはとてもさびしそうでした。