先日、I T関係のセミナーに参加した時のことです。
約90分のセミナーを受け終わったあと、何か言いようのない違和感を覚えました。
この違和感は何だろうといろいろと考えてみたのですが、はっきりとわからないの
です。
ただぼんやりと、心にしっくりこない感じが残っているのです。
帰ってみて資料を見ながら、セミナーの雰囲気や内容を思い起こしてみて、違和
感の原因がわかった感じがしました。
セミナーの内容は今、話題のクラウドを使うことによって日常のビジネスがより効
率的になるといったもので、近い将来に実現されるであろうことを予感させるもの
でした。
その内容に何の問題もありません。
ただ、導入する理由としてコストの低減と生産性の改善があげられていました。
成功事例として強調されていたのが、100人のスタッフで管理していたシステム
が導入後はたった2人で管理できるようになったという人的コストの削減だったの
です。
企業側のメリットは火をみるより明らかです。
株価も上がり投資家や銀行も喜ぶでしょう。
I T技術の進化により、機械が人にとってかわるのは時代の流れであるのは間違
いありません。
しかし、利益を追求するあまり企業のもう1つの使命である雇用の創出ということ
を忘れてしまっているのではないかと思うのです。
倉本聰さんのドラマでこんな一節が心に残っています。
「便利になるということは、人間が汗をかかなくなるということだ」
私たちはどのような社会を目指しているのでしょう?
そのためには企業はどうあるべきなのでしょう?
夏の終わりは遠いなぁと思いながらも、悩みのつきない今日このごろです。