聞こえる「NO」と聞こえない「YES」

商品やサービスは改善し続けることが重要です。
そして改善ポイントを見つけ出すには、お客様からの声を集めることが最
適であると思います。

その手法は、有効であるのは間違いないのですが難しいのは分析です。

例えば「この靴はもう少しヒールが高ければ・・・」とか「巾がもう少しせま
ければ・・・」といった様々な御意見が私達にも寄せられます。

1つ1つの御意見は、そのお客様が思っておられる素直な感想であるし、
貴重な御意見として拝聴しております。しかしながら、そのままの仕様で
満足されているお客様がどのくらいいらっしゃるのかが、わからないところ
が難しいのです。

ヒット商品をよりよくしようと思い、マイナーチェンジをしたところ「なぜ変えた
のか」「前の方がよかった」という御意見を多数いただいたことがあります。

これはまさしく少数の聞こえる「NO」にのみ反応し、多数の聞こえない
「YES」を見落としてしまったことが原因です。

話は変わりますが、前原国交相の発言により「羽田空港のハブ化」の議論
が盛んです。新聞をはじめ、多くのメディアの報道は聞こえる「NO」を大きく
取り扱っているように思えます。

そこに利用者の聞こえない「YES」がどれくらいあるのかということを考える
必要があると思います。

このような国の大きな事業になると、立場により様々な利害が交錯し、難し
い決断になると思いますが、大事なのは利用者にとっての便益であると思
います。

何がお客様にとって大事なことであるのかという原点に立ち返ることが正し
い決断をする近道ではないでしょうか。